
西の湖すてーしょんリニューアル記念企画として始まった「宮谷孝子布絵展」は、新聞報道や来場された方の口コミもあって、始まって2週間余りで600名を超える人たちが来てくださっています。このブログを書いている今も、「布絵展に行きたいんだけれど場所はどのあたりですか?」という電話での問い合わせが来ています。
この日も西の湖すてーしょんの様子を見に行くと、玄関付近に人がたくさんおられ、中も見学の人たちでとても賑わっています。遠くから足を運んでくださっている方もいれば、地元の老人会からは「今日はサロンの日やさかい、みんなで見に来たんやわ。」と言う方もおられます。花嫁を送り出す場面の布絵の前では「懐かしいなあ。うちらが嫁入りに来たときはこんな感じやったんやで。」別の布絵の前では「あったあった、駄菓子屋でよう買い物したなあ。」と、自分たちの幼い頃や若かった頃を思い出し、懐かしそうに見入っておられます。

見学者の雑記帳にも、たくさんの方々が感想を書いていてくださっています。「布の使い方が素晴らしいこと。芸術を感じ、細かい手仕事とその技法に、不思議な世界に引き込まれてしまいました。私たち姉妹のような“ひいな流し”の女の子5人。姉たちを思い出し『これが一番上の姉、これは2番目の姉…』などと、思いを巡らせていました。本当にほんとうに感謝いっぱいでおります。有難うございました。」と、布絵の世界に思いを馳せる人、「想像以上に素晴らしい布絵で感動しました。できれば定期的にこのような催しを開いていただくと、みんなと一緒に来ることができます。西の湖と安土山に挟まれた絶好の風景を、思う存分に使った活動を期待します。」と、これからの活動に期待を寄せていただいている方もたくさんおられます。

この布絵展では、宮谷作品の類を見ない素晴らしさが見る人の郷愁を呼び起こし、ずっと昔の共通の体験を通して、人と人のコミュニケーションが深まっている様子が伝わってきます。この西の湖すてーしょんの大切な役割の一つは、ここに集う人たちの心を開放し、のんびりと世間話に花を咲かせる空間になることなのかもしれません。